ASTEC/SURTECHセミナー会場

2020年1月30日(木)

第15回表面技術会議(2日目)
※聴講登録受付中※

【開催時間】10:45-13:00 事前登録 無料

「ASTEC 表面技術会議」は最先端の表面処理テクノロジーや研究動向をご紹介する毎年好評のカンファレンスです。
今年は2日間にわたって、「次世代自動車・航空宇宙を支える最新の表界面ソリューション」と
「先端材料のための表面構造分析、評価・計測技術の最前線」をテーマに開催いたします。

満席が予想されますので、お早目にご登録ください。

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先端材料のための表面構造分析、評価・計測技術の最前線

先進DPC STEM法による材料局所構造解析
10:45-11:30

柴田 直哉

東京大学大学院工学系研究科 総合研究機構

機構長・教授

柴田 直哉

【講演者プロフィール】

2003年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、博士(工学)。2003-2004年日本学術振興会海外特別研究員として米国オークリッジ国立研究所に所属。2004年より東京大学大学院工学系研究科総合研究機構助手、助教、准教授を経て2017年より現職。2019年より機構長。2007~2011 JSTさきがけ研究員を兼務。専門は電子顕微鏡材料学。中心テーマは、先進透過型電子顕微鏡法の開発とそれを用いた材料界面原子・電子構造解析。


【講演概要】

走査型透過電子顕微鏡法(STEM)は細く絞った電子線を試料上で走査し, 試料下部の環状検出器で各点における透過散乱電子を検出し, その強度をモニター上にプロットして像を形成する手法である. 我々のグループでは原子分解能STEMの更なる可能性を開拓することを目的として多分割型STEM検出器を開発し, 微分位相コントラスト法(Differential Phase Contrast: DPC)により, 原子スケールの電磁場直接観察が可能であることを見出している. 本講演ではSTEM多分割検出器を用いた原子分解能DPC STEM法の原理及び応用について, 最近の研究展開を報告する. 更に, 現在開発中の原子分解能磁場フリー電子顕微鏡について, その進捗状況及び将来展望について紹介する.

新しい走査型プローブ顕微鏡(SPM測定)技術「ESM」によるリチウムイオン電池の評価
11:30-12:15

石井 孝治

オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社

アサイラム・リサーチ事業部

副事業部長

石井 孝治

【講演者プロフィール】

1997年東洋大学大学院にて博士(工学)の学位取得。1998年から航空宇宙技術研究所、2001年から大阪府立大学、2004年から東洋大学バイオ・ナノテクノロジー研究センターにてポスドクを経験。2008年よりアサイラムテクノロジー株式会社アプリケーションサイエンティストとしてプローブ顕微鏡に従事。2013年よりオックスフォード・インストゥルメンツ株式会社アサイラム・リサーチ事業部アプリケーションマネージャー。2019年より現職。


【講演概要】

すでに生活レベルで必要不可欠となっているリチウムイオン電池も、未だ解明されていない点が多い。現在、発展し続けているナノスケールでの計測および評価により、リチウムイオン電池開発に重要な情報や知見が得られている。ここでは、走査型プローブ顕微鏡を用いた新しい測定技術ESM(電気化学ストレイン顕微鏡)について紹介する。走査型プローブ顕微鏡は、曲率半径10 nm程度の探針を有するカンチレバーを用いて、サンプル表面を走査し、原子分解能レベルでの表面観察を行うことができる。さらに、導電性の探針をサンプル表面に接触することにより、ナノスケールの電気的な特性評価を行うことが可能となる。ESMでは、陽極材であるコバルト酸リチウムの粒にリチウムイオンが出入りする際に発生するひずみを、走査型プローブ顕微鏡で検出し、局所的な電池特性を可視化することができる。その測定例を紹介する。

TOF-SIMSと共焦点ラマンを搭載したプラズマFIB-SEMによるマルチモーダル解析
12:15-13:00

鈴木 直久

株式会社東陽テクニカ

ライフサイエンス&マテリアルズ

シニアセールスマネージャー

鈴木 直久

【講演者プロフィール】

1991年より電子顕微鏡を用いた半導体をはじめとする各種材料の解析及びその手法開発に従事。その後、電子顕微鏡メーカにてアプリケーショングループのマネージメントを経験。2016年より株式会社東陽テクニカにて電子顕微鏡の販売を担当。2018年より現職。


【講演概要】

走査型電子顕微鏡(SEM)と集束イオンビーム(FIB)が一体となったFIB-SEMは、特定部位の断面加工・観察だけでなく、透過型電子顕微鏡(TEM)の試料作製や3D情報を得るための有力なツールの一つである。最近ではGa液体金属イオン源だけでなくXeプラズマイオン源を用いたFIB-SEMのニーズが高まっている。本公演ではXeプラズマイオン源の特長を説明し、各種解析事例を紹介する。また、FIB-SEMにはエネルギー分散型X線分析(EDS)や電子線後方散乱回折(EBSD)を搭載し、元素分析や結晶構造解析を行うことが一般的であるが、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIM)や共焦点ラマン顕微鏡をFIB-SEMに組み込むこむことも可能である。これにより軽元素・微量元素・同位体の分析、深さ方向濃度プロファイル、そして化学的な構造・状態の情報を、試料をFIB-SEMチャンバーから取り出すことなく得ることができる。これら応用例についても説明する。