ASTEC/SURTECHセミナー会場

2020年1月29日(水)

第15回表面技術会議(1日目)
※聴講登録受付中※

【開催時間】10:45-13:00 事前登録 無料

「ASTEC 表面技術会議」は最先端の表面処理テクノロジーや研究動向をご紹介する毎年好評のカンファレンスです。
今年は2日間にわたって、「次世代自動車・航空宇宙を支える最新の表界面ソリューション」と
「先端材料のための表面構造分析、評価・計測技術の最前線」をテーマに開催いたします。

満席が予想されますので、お早目にご登録ください。

 

次世代自動車・航空宇宙を支える最新の表界面ソリューション

全固体電池の界面制御と、その研究を加速するためのAI/Robot活用
10:45-11:30

一杉 太郎

東京工業大学 物質理工学院

応用化学系 教授

一杉 太郎

【講演者プロフィール】

1971(昭和46)年生まれ。1996年、東京大学大学院 工学系研究科超伝導工学専攻修士課程修了。1999年に同大学大学院同専攻 博士(工学)、ソニー株式会社。2003年より東京大学助教、2007年に東北大学准教授、2015年より東京工業大学 教授。平成22年度 文部科学大臣表彰 若手科学者賞。専門分野:固体物理、固体化学、固体電気化学、表面・界面科学。


【講演概要】

全固体電池への期待が高まっています。実用化に向けて解決すべき課題の一つに界面の制御が挙げられます。特に、固体電解質と正極の界面抵抗を低減することが高速充放電の鍵を握っています。本講演では、界面抵抗低減に向けた取り組みを紹介します。また、研究を加速するためにAI/Robotを活用することに取り組んでいます。その一端を紹介します。

先端材料の表面・界面構造を明らかにする最新の電子顕微鏡技術
11:30-12:15

橋本 哲

JFEテクノリサーチ株式会社

営業本部 営業企画部 兼 機能材料ソリューション本部 ナノ解析センター

主査

橋本 哲

【講演者プロフィール】

東北大学大学院理学研究科物理学第二専攻(修士課程)卒業(1982)。
NKK技術研究所入社(現JFEスチール(株)1982):表面処理鋼板・酸化物薄膜の微細構造解析。
鋼管計測(株)出向(現JFEテクノリサーチ(株) 1998):物理解析技術を主体とする受託分析。
学位:博士(工学)静岡大学(1992 アモルファスWO3系薄膜のエレクトロクロミズムに関する研究)。
専門:表面分析・マイクロビームアナリシス・電子顕微鏡・回折結晶学。


【講演概要】

今世紀になり大きく進歩した電子顕微鏡(オングストローム程度の分析が可能なCs補正型STEM, 最表面の物質コントラストが観察できる極低加速電圧SEMなど)を用いることにより、次世代先端材料の物性発現させるナノスケールの界面・表面の微細構造を実用レベルでの元素分析や化学状態の解析が可能となった。
その例として、高保持力の希土類磁石の結晶粒界、高温対応のパワーデバイス用として開発されているSiC系MOSFETにおける酸化物/半導体、自動車用排ガス浄化触媒用貴金属微粒子などについて、ナノスケールの界面・表面の微細構造を調べた例を示す。

航空宇宙分野における機能性分子センサー技術の開発と応用
12:15-13:00

浅井 圭介

東北大学大学院

工学研究科 航空宇宙工学専攻

教授

浅井 圭介

【講演者プロフィール】

1980年、京都大学航空工学科卒業後、航空宇宙技術研究所(現JAXA航空技術部門)に入所、風洞部門の研究者として、感圧塗料や低温風洞などの革新技術の研究開発に従事。また、長期在外研究員としてNASAラングレー研究センターに1年間滞在。2003年に東北大学に転任。専門は空気力学、航空機設計学。「機能性分子を利用した熱流体イメージング技術の研究」対する功績で、2016年に文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞。


【講演概要】

熱流体現象の解明は航空機やジェットエンジン、ロケットなどの流体機械の性能や効率を高めるために重要な工学的課題である。熱や流体は見えないものの代表であり、それらをイメージとして可視化することは、熱流体分野の研究者や設計者にとって長年の夢だった。機能性分子センサーは、機能性分子の光化学反応過程を利用して、熱や流体の流れ場を光学画像として計測する新概念のイメージング技術である。感圧塗料(PSP)や感温塗料(TSP)などのコーティング型センサーの登場により、従来は考えられなかった高時空間分解能で圧力や温度が面計測できるようになり、熱流体実験において取得できる情報量は飛躍的に増加した。本講演では、機能性分子センサーの原理、計測装置や画像処理法の発達、そして、航空機やロケットなど航空宇宙分野における最新の適用例を紹介しながら、革新的計測ツールとしての機能性分子センサーの現状と将来展望について述べる。