未来のくらしと水の科学研究会 公開シンポジウム
Aqua Stage(南2ホール)
2026年1月29日(木)
【開催時間】13:00-16:15
満席
無料
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2026年1月29日(木) 13:00-13:10
開会挨拶・未来のくらしと水の科学研究会の紹介
未来のくらしと水の科学研究会
委員長
東京大学
教授
高井 まどか氏
2026年1月29日(木) 13:10-13:40
無料
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東京都水道局における水質管理について
【講演概要】
都の水道事業は、明治31年(1898年)に近代水道として通水を開始して以来、重要な基幹ライフラインとして都民生活と首都東京の都市活動に欠くことのできない水道水を供給し続けてきた。水質に関しては、高度経済成長期の人口や産業の集中に伴う河川の水質悪化で、水道水に対する安全性への不安やおいしくないという不満から、高度浄水処理の導入や貯水槽水道対策などの総合的な取組を推進してきた。
また近年では水道水質へのさらなるお客さまニーズの高まりを踏まえ、一層の水道水の安全・安心の確保のために水質管理の強化に取り組んでいる。そこで、本発表では都の水道事業の概要について触れるとともに、事業の中でも水質管理に関連する話題を中心に、これまでの取組、水道水質のリスクマネジメントの東京都版水安全計画、水質における現状の課題とそれに対する取組として実施している浄水処理技術の調査実験などについて紹介する。
2026年1月29日(木) 13:40-14:00
無料
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めっき工場でのランニングコストを抑えた賢い水の使い方
~オゾンによる水洗排水の節水・排水再利用設備の維持費低減事例~
【講演概要】
気候変動や人口増加により、水資源の安定供給は世界的な課題となっています。
産業活動においても、環境負荷の低減と高効率な水利用が求められる中、めっき工場では排水の約8割を占める水洗排水の削減が重要なテーマです。
本講演では、オゾンを活用した排水削減の最新事例を紹介し、その仕組みと効果をわかりやすく解説します。
オゾンの強力な殺菌作用と有機物分解作用を利用することで、排水の再利用や清掃水の削減を実現し、環境負荷の低減とコスト削減を両立させる技術について取り上げます。
2026年1月29日(木) 14:00-14:30
無料
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水の世界を解き明かすー界面から拓く未来の低炭素社会を支える水利用技術ー
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
研究開発戦略センター(CRDS) 環境・エネルギーユニット
フェロー
坪井 彩子氏
【講演概要】
気候変動による水供給の不安定化やPFASなどの新興汚染物質への対応に加え、産業活動の高度化に伴い、水への要求は年々高まっている。飲料水の確保に加え、低炭素社会を支える水素製造や、生成AIの普及に不可欠なCPU/GPUの冷却や半導体の洗浄など、多様な分野で高効率な水利用が求められている。
一方で、水は身近な物質でありながら、そのふるまいには未解明な点が多く、水に関わる技術の高度化にはその挙動を科学的に理解することが欠かせない。CRDSでは特に、水と固体・材料などが接する「界面」に注目している。界面での水の状態は、水処理膜の選択性や透過性、汚れの付着など、実際の材料性能やプロセス効率に大きく影響する。こうした界面での水の特徴やふるまいを理解し、制御することは、多様な水利用技術の性能向上や新たな技術展開に繋がり得る。
本講演では、世界の水問題を概観し、界面に焦点を当てた最新の研究動向とその応用可能性を紹介する。
2026年1月29日(木) 14:30-15:00
無料
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水の科学および自己組織化の化学を基盤とする水処理ナノ高分子膜の進展
信州大学
特任教授
岡山大学
特任教授
東京大学
名誉教授
加藤 隆史氏
【講演概要】
環境・都市からバイオまで、水の存在下において機能する材料を統一的に「水圏機能材料」として、水の構造・性質の側からも材料の機能を理解・制御しようとする研究を最近進めている。
本講演では、分離機能を有する水圏機能材料として、規則的な直径のナノ孔を有し、ユニークな選択性を示す柔軟かつ軽量の自己組織化ナノ液晶水処理膜について紹介する。厚さ100nm程度の均一な高分子膜を、扇状や棒状の様々な官能基を有する液晶分子の合成・配列・重合により作製した。このナノ膜は選択的イオン透過能や優れたウイルス除去能などの水処理機能を示した。この膜においては液晶性自己組織化能の制御により、一次元・二次元・三次元の様々なナノ孔の形状とすることができる。
自己組織化膜の水圏機能を理解するため、ナノ孔内の水の構造を、放射光施設における分光や電気化学的手法・分子動力学シミュレーションを用いて解析し、材料のユニークな性質と水分子の水素結合および集合構造の関連性を示した。
2026年1月29日(木) 15:05-15:25
無料
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水資源の持続的循環・利用に貢献する素材と技術
【講演概要】
水不足や水質汚染などに起因する水ストレスは、世界全体が直面する重要な社会課題となっている。㈱日本触媒では、造水から排水処理に至る水資源の持続的循環に貢献できる高機能素材の開発と技術革新を推進することにより、これらの解決に取り組んでいる。
CWAO(Catalytic Wet Air Oxidation)は、焼却処理に代わる排水処理方法であり、当社が独自開発した固体触媒を用いることで、空気を酸化剤とする液相酸化反応により、様々な有毒物質の無害化を、高効率、低ランニングコスト、低CO2排出、かつ、メンテナンスフリーで実現可能な技術である。
また、当社は触媒技術の強みを活かすことにより、多様な水溶性モノマーを製造しており、これらをスケール防止剤など様々な水処理向けの高機能ポリマー開発に活用している。
本講演では、CWAOについて詳細を述べるとともに、水処理用ポリマー技術についても紹介する。
2026年1月29日(木) 15:25-15:55
無料
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水を使ったCO2回収で温暖化緩和に挑戦! ~電気化学海洋CDRの紹介~
【講演概要】
気候変動の影は、静かに、しかし着実に私たちの社会に忍び寄っています。かつては「南極の氷が融けて海面が上昇する」といった話が主流でしたが、最近では「温暖化による海洋環境の変化」も懸念されています。
では、気候変動は私たちの生活に具体的にどのような影響を与えるのでしょうか?また、その緩和策は、再生可能エネルギーや原子力の利用、そしてEV(電気自動車)の普及だけなのでしょうか?
本稿では、気候変動が中緯度地域にもたらす現実的なリスク、既存の緩和策とその多様性、そして最新の緩和技術について解説します。その上で、私たちが現在取り組んでいる「海水を用いた二酸化炭素回収(mCDR: marine carbon dioxide removal)」の原理と可能性について紹介させていただきます。
2026年1月29日(木) 15:55-16:15
無料
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排水処理に貢献する現場型イオン計(アンモニウムイオン、硝酸イオンなど)
【講演概要】
工場排水や下水処理は川や海への生態影響の観点から窒素成分を低減させてから放流する必要がある。近年排水中の窒素成分は様々な面で注目されており、農業利用や海水養殖の栄養源として放流など利用価値が高まっている。
排水処理を最適に管理するためには連続測定可能で且つ安定測定な計測器が不可欠であり、これらを開発したので紹介する。メンテナンス時に工具は不要であり、標準液校正またはサンプルに合わせて補正することで簡便で扱いやすい製品となっている。これらは超音波洗浄器と合わせることでメンテナンス周期を伸ばすことも可能となる。またアンモニウムイオン、硝酸イオンに加えてカルシウムイオンの連続測定器も紹介する。