【主催】 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
マグネシウム、スカンジウム、ヘリウムなどの資源は、我が国の産業発展に不可欠でありながら、供給の不安定性が課題となっています。本セミナーでは「NEDO先導研究プログラム」の取り組みを通じて開発された、これらの資源の安定確保と効率的利用に貢献する最先端技術を紹介します。プロジェクトに携わる研究者や専門家が登壇し、最新の技術や具体的な開発成果をご紹介します。資源問題の解決や技術革新に興味のある方にとって、新たな知見を得る貴重な機会となれば幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーA(東4ホール) |
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室蘭工業大学大学院 工学研究科 機械創造工学系専攻修了。
2014年より㈱フルヤ金属に入社し、Pt、Ir、Ru等の貴金属の機能材料開発・生産工程自動化検証・装置試作に従事。
2019年東京工業大学よりマイクロ波を用いた酸化物の還元に関する学術指導を受ける。
2022年にNEDO「マテリアル・バイオ革新技術先導研究プログラム」に採択され、マイクロ波を用いた酸化スカンジウムの還元装置の設計・開発、精錬技術開発に従事。
スカンジウムは、窒化アルミニウム-スカンジウム膜とすることで高い圧電性を示すため、電子通信機器のフィルタ材などの高機能部品に利用されており、今後も需要拡大が見込まれる材料です。一方、原料となる金属スカンジウムの精錬過程では、フッ酸処理および高温熱処理を必要とするため、消費エネルギーと環境負荷の高さが課題となっています。また、日本は金属スカンジウムの供給を海外に依存しているため、サプライチェーンの多様化が求められています。本講演では、近年発見されたマイクロ波による金属酸化物の還元手法を活用した、画期的な酸化スカンジウムの精錬技術と新規量産装置を紹介します。本技術によって、スカンジウムの精錬プロセスにおける環境負荷低減と、サプライチェーン強靭化に貢献します。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーA(東4ホール) |
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軽量・高比強度材料として期待されているMg材料の利用拡大に資するため、国産資源である廃海水を出発原料とした、国内での低環境負荷Mg地金生産をめざした基礎的な検討を行いました。溶融塩電解法を中心としたプロセスによって、製品として利用可能なMg地金を国内技術で生産可能か検証し、製造したMg地金を利用する上での国内社会的基盤の調査、構築可能な国内マテリアルフローの検討を実施しました。研究の結果、低CO2排出なMg地金製造プロセスが、国内で技術的・社会的に構築可能であることを示しました。講演では、プロジェクトの成果と社会実装に向けた課題を紹介します。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーA(東4ホール) |
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専門分野は無機材料工学、分離膜、多孔質材料、高温構造材料。鈴木自動車工業(株)、新技術事業団、NEDO産業技術研究員を経て、2003年より、ファインセラミックスセンターにて分離膜開発に従事。工学博士。
ヘリウムは分子径が最も小さく、最も沸点が低いガスで、半導体の製造や医療分野等で広く利用されています。現在使用されているヘリウムは地下に埋蔵するメタンガスに随伴して生産されたものです。本事業では、これまで資源的価値が低く、注目されていなかった窒素を主体とした不燃性ガス田からヘリウムの単独生産に向けた技術開発を行います。生産圧を利用した膜分離により、温室効果ガスをほとんど排出せずにヘリウムを回収し、設備投資を大幅に抑制できます。政治的に安定な地域におけるヘリウムサプライチェーンの強靭化により、ヘリウムの安定供給、価格の安定化を目指します。