• 未来のくらしと水の科学研究会 公開シンポジウム

    Aqua Stage(東2ホール)
    2025年1月30日(木)
    【開催時間】13:30-16:30
    無料 事前登録

    2025年1月30日(木) 13:30-13:40
    満席 無料 事前登録
    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    開会挨拶・研究会紹介 「未来のくらしと水の科学研究会」

    東京大学
    東京大学大学院工学系研究科
    教授

    高井 まどか氏

    2025年1月30日(木) 13:40-14:10
    無料 事前登録
    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    世界の水事情と水ビジネス

    グローバルウォータ・ジャパン
    代表

    吉村 和就氏

    【講演概要】

     世界の水事情は複雑な要因が重なっている。2023年3月、グテーレス国連事務総長は「2030年までに、地球人口の半分(約40億人)が水ストレスに直面する」と警告致しました。
     その大きな要因は①水不足問題で、世界人口の25%は、水不足の地域に住んでいる、②水質汚染、世界の水系の約80%が未処理の排水や化学物質で汚染されている、③衛生問題、2023年現在約20億人が安全な水にアクセス出来ず、36億人が基本的な衛生設備を利用できていない、④水供給の不平等、特に国際河川やサハラ以南のアフリカや南アジアなどで紛争が起きている。これらを平和的に解決する為に世界的な水ビジネスが期待されている。持続可能な解決策、例えば公平なる水管理、水の再利用技術の普及、農業用水の効率化などに触れながら、将来の持続可能な水環境の構築について述べる。

    2025年1月30日(木) 14:10-14:30
    無料 事前登録
    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    層状複水酸化物を用いた水処理システム構築に向けた取り組み

    島根大学
    教授

    笹井 亮氏

    【講演概要】

     層状複水酸化物(LDH)は,[\[\text{M}^{2+}_{1-x}\] \[\text{M}^{3+}_x\] \[(\text{OH})_2\]] \[(\text{A}^{n-})_{x/n}\] \[\cdot m\text{H}_2\text{O} \] (\[ \text{M}^{2+}\]: 2価金属, \[\text{M}^{3+}\]: 3価金属, \[\text{A}^{n-}\]: 陰イオン種, m: 水和水数, x = 1/5 - 1/3)という一般式で表される層状無機化合物である.LDH中の陰イオン種は水中に溶解した他種の陰イオンとの間で交換反応を示すので,水中に溶存した有害陰イオン種の除去を目的とした水処理素材として世界中で多くの研究開発が進められている.LDHを水処理素材として利用する場合には,水中に存在する有害陰イオン種のみを選択的に除去できる能力が求められる.様々な有害陰イオン種の除去にLDHを利用した多くの研究がある一方で,LDHの特定の陰イオンに対する選択性の起源については不明な点が多いため,いまだ特定の陰イオン種を除去できるLDHを自在に開発するには至っていない.私たちもLDHが示す陰イオン選択性の起源解明に関する研究を進めてきた.
     これらの成果の中で,NiとAlからなるLDHの \[ \text{NO}_3^- \] 選択性を調査したところ,x=1/5のLDHが高い \[ \text{NO}_3^- \] 選択性を示すと共に,この \[ \text{NO}_3^- \] 選択性が海水中でも保持されることが明らかとなった.この結果は,このLDHが実際の水処理に利用できることを示唆するものである.この成果の詳細に加え,本講演では私たちがこれまでに行ってきたいくつかの有害陰イオン種(\[ \text{NO}_3^-\], \[\ \text{I}^-\], \[\ \text{AsO}_4^{3-}\], \[\ \text{AsO}_3^{3-}\]など)に対して高い選択性を示すLDHに関する研究成果を紹介するとともに,実際の利用に向けたいくつかの取り組みも紹介する.

    2025年1月30日(木) 14:30-14:50
    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    高性能逆浸透(RO)膜とその産業適用

    東レ株式会社
    地球環境研究所

    三井 伸也氏

    【講演概要】

     逆浸透(RO)膜は、サブnmオーダーの水分子選択透過孔を有する薄膜であり、海水の淡水化や超純水の製造など、様々な産業用途に使用されている。RO 膜の素材は複数存在するが、なかでも、架橋芳香族ポリアミド分離機能層、ポリスルホン支持層、ポリエステル不織布基材の 3 層からなる複合RO膜が、水の選択透過性に優れた膜として、幅広く利用されている。
     より少ないエネルギーで高品質な水を製造するために、膜には高い溶質除去率と高い透水性が求められる。当社は、こうした膜の性能を最大限にまで高めるため、様々な構造解析に取り組んできた。本発表では、分離機能層の形態観察や孔径解析などの種々の構造解析手法の詳細と、上記分析を通じた膜設計指針に基づいて開発した高性能製品について報告する。

    2025年1月30日(木) 15:00-15:30
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    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    グローバル拠点展開時の水質対策経緯と気づき・学び

    トヨタ自動車株式会社
    先進技術開発カンパニー 将来技術・事業創生グループ
    主幹

    埼玉大学
    大学院理工学研究科
    教授

    古川 雄一氏

    【講演概要】

     2000年代初頭から自動車生産拠点のグロバール化が進み、各国の生産準備時において、水に関する様々な課題に直面した。また、国内の新規拠点においても同様な課題が生じ、国内外における水質影響の調査を行った。金型に供給する水質や潤滑剤を希釈する水質、設備へ供給する水質の基礎調査を行い、それぞれの水質目安を定めた。
     各種水質をグローバルで供給・維持するためのインフラ開発や維持管理の確立を行い、世界同一水質を目指した。 水質統一化により、問題発生時の対応がグローバルで統一化でき、スピーディーな問題解決に繋がることを学んだ。20年以上経過した現在においても水質に関わる課題が発生した際、引続き対応が円滑に対処できていることから、初期の水質対策の重要性を認識した。 水質の変動に加え、水温や水量の変化の影響と対策を行ってきた経緯や気づきと学びを紹介する。

    2025年1月30日(木) 15:30-15:50
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    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    スマート植物工場を実現する水耕栽培の自動化貢献技術

    東京理科大学
    創域理工学部
    教授

    寺島 千晶氏

    【講演概要】

     省人化省力化を目指したスマート植物工場が活況である。水を使った水耕栽培が適している。それは宇宙での植物栽培においても水耕栽培が採用されていることからも自明であり、省資源で短期間に植物を育成できる利点がある。
     ところが、栄養素があり光が当たることで、至る所でアオコが発生し、その除去に人出とコストがかかっている。これはロボットなどの技術によって取り除くことは困難で、そのための技術開発が、スマート植物工場には喫緊の課題といえる。そこで、水と空気から防藻効果のある液体肥料を開発した。本講演ではその詳細を報告する。

    2025年1月30日(木) 15:50-16:10
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    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    高砂熱学イノベーションセンターにおける地下水熱利用システムの運用実績とZWB評価

    高砂熱学工業株式会社
    技術研究所

    大迫 孝輔氏

    【講演概要】

     近年の建築設備は、カーボンニュートラル実現に向けたゼロ・エネルギー・ビル化(ZEB化)のみならず、水資源の維持保全への配慮が求められる。高砂熱学イノベーションセンターは、茨城県つくばみらい市に位置し、再生可能エネルギーによるエネルギー自立を目指し計画された研究施設で、太陽光発電、バイオマス熱電併給、蓄電、地下水熱利用の各種システムを導入している。
     地下水熱利用システムでは、地下水を空調の冷熱源として利用した後、実験、トイレ洗浄や手洗い、灌水、除鉄除マンガン装置の逆洗に用いている。本報では、2023年度の地下水熱利用システムの運用実績の報告に加え、当該研究施設をよりサスティナブルな施設に改善させていくための新たな視点として、水資源の有効活用に着目したZWB(Zero Water Building)評価方法に基づいて試算を行ったので報告する。

    2025年1月30日(木) 16:10-16:30
    無料 事前登録
    会場 : Aqua Stage(東2ホール)
    水熱反応によるプラスチックのケミカルリサイクルと水質浄化への挑戦

    法政大学
    経済学部
    教授

    山﨑 友紀氏

    【講演概要】

     昨今のプラスチックの処理方法においては、燃焼や埋め立てに代わる環境にやさしい手法が求められている。化石燃料を主たる原料とするプラスチックは特に資源枯渇の観点および二酸化炭素の発生抑制の観点から可能な限りリサイクルすることが望まれている。
     その中でもPVCやエポキシ樹脂などの難分解性プラスチックはリサイクルが困難であるとされてきた。PVCはその用途が多岐に渡るために様々な廃棄物に混在している一方で、熱分解によって有毒な塩素系のガスあるいはダイオキシン類が発生しうることから適切な処理方法の開発が急務である。
     本研究室では250℃以下の水熱反応において、水に難溶性のこれらプラスチックが気相・液相などの反応場に加えて、触媒や共溶媒の選択によって、異なる反応を示すこと、劇的な反応効率の向上方法を見出したのでその成果について報告する。あわせて水浄化の技術開発についても触れる。

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