【基調講演】海洋事業展開における日本版サービスプロバイダー
海洋産業タスクフォース
運営委員会
副委員長、AUV 活用戦略チームリーダ
東洋エンジニアリング株式会社
カーボンニュートラル本部
シニアプリンシパル
佐藤 弘志氏
【講演者プロフィール】
1981年に東洋エンジニアリング入社後、米国の研究機関で石油ガス開発の研修を経て、国際石油資本向けの企画立案事業に従事。2000年に専門部設立し海外サービスプロバイダーと協業で油ガス田開発の計画や実行援助を経験。2015年より常務執行役員、2021年よりシニアプリンシパル。
同社が海洋産業タスクフォースに参加後、運営委員会副委員長を担当。2023年より内閣府の自律型無人探査機戦略官民プラットフォーム共同議長を担当。
【講演概要】
日本はEEZを加えると世界6番目の経済領域を保有し、活用が求められるも事業形態が見えない。欧米は既に海洋油ガス田開発手法で事業化を進めている。
この差の一因は日本には油ガス田開発等の自然リスクが大きい事業への数値的リスク回避や効率的運営援助を事業者に対して行うプロ集団(サービスプロバイダー:SP)が居らず、多くを熟練者の勘に頼ってきた事が一因と考える。残念だが日本には海洋開発分野の熟練者は少ない。
日本の海洋開発はEEZ・大水深・遠隔地が事業領域となり、省人化・無人化が求められる。データ解析基軸のプロの提案は必要となる。AUV等の無人機でデータ取得、データ解析でデジタル化し、DX活用で事業全体を支える形となろう。要素技術は日本に既にあり、後はどう活用するかとなる。SPは事業者の懐刀とする事で「設計と実設備齟齬確認」・「操業保守」・「事業運営提案」を担当させ、事業者の海洋開発の円滑な進捗が期待できる。