国際的な競争が激化する中、機能性材料の生産においても、エネルギー消費量の削減、開発の加速、少量多品種オンデマンド生産等への対応が求められています。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」「次世代ファインセラミックス製造プロセスの基盤構築・応用開発」では、これまでの経験や勘、ノウハウに基づいて行われてきた機能性化学品及びファインセラミックスの合成・製造において、計算科学等を活用した革新的なプロセスを開発するため、プロセス・インフォマティクスによる研究開発を推進しています。
本セミナーではそれらのNEDOで取組むプロセス・インフォマティクスの開発について紹介いたします。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーB(東4ホール) |
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2008年に山口大学大学院理工学研究科にて博士(工学)を取得後、2009年に計算化学を主体としたベンチャー(株式会社TSテクノロジー)を立ち上げ、反応解析・材料開発等に関する受託研究事業を行っている。近年は、NEDO委託事業「機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発」に関連し、反応速度論シミュレーターの開発を行っている。専門は、計算化学、ケモインフォマティクス、プロセスインフォマティクス。
近年、デジタル駆動化学やプロセスインフォマティクス(PI)による合成プロセスの設計に注目が集まっている。フロー合成による機能性化学品の工業生産を実現するには、デジタル駆動化学により得られる理論的な情報と、現実系で行う生産装置設計・運用との間を、PIを用いて橋渡ししてやることが必要となる。本内容では、デジタル駆動化学と反応速度論シミュレータを用いて、計算化学が推測する分子の電子移動性傾向すなわち反応性を、生産装置の概念設計や、状況に応じた運転条件の至適化等へ繋げるための要素技術について紹介する。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーB(東4ホール) |
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2001年 東北大学大学院 工学研究科・材料化学専攻 博士後期課程修了 博士(工学)
同年 東北大学 金属材料研究所 助手・助教
2009年 一般財団法人ファインセラミックスセンター
現在 同 材料技術研究所 主席研究員 先進プロセス設計グループ・グループ長
NEDO 「次世代ファインセラミックス製造プロセスの基盤構築・応用開発」プロジェクト サブリーダー
セラミックス部材は、原料粉の成形、乾燥脱脂、焼結の各要素プロセスからなる複雑な製造プロセスによって製造されている。本プロジェクトでは、インフォマティクス技術を活用した製造プロセス全体の最適化を目指し、各要素プロセスに対応した要素プロセスシミュレータの開発と、これらを連結した統合型シミュレータの開発、さらには、シミュレータを用いたプロセスビッグデータの創出とインフォマティクスへの展開を進めている。本セミナーでは、プロジェクトの概要と現在までの成果の一部を報告する。