新エネルギー・産業技術総合技術開発(NEDO)の委託事業「航空機エンジン向け材料開発」では、航空機産業の国際競争力強化を目指し、航空機エンジン向けに高機能材料を開発し、その材料を用いた部品製造、量産化のための加工技術プロセス(特に鍛造プロセスに焦点を当てる)の効率化、高度化を図ると共に、関連企業や研究機関等と連携し、航空機用エンジンに関する材料データ蓄積及び強度評価、性能評価等に必要なデータベースを整備しています。
今回ご説明する「革新的合金探索手法の開発」では、産業技術総合研究所が主体となり、航空機エンジン向けの高機能材料の開発を目指し、「合金探索システム」の開発に取り組んで参りました。
本セミナーでは、本事業の取り組みをご紹介いたします。
会場 | : | シーズ&ニーズセミナーB(東4ホール) |
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金沢大学学士、東京工業大学修士、博士課程(工学)修了後、1998年4月から国立研究開発法人 産業技術総合研究所 (旧経済産業省工業技術院機械技術研究所)に入所、主任研究員、研究グループ長、連携主幹を経て、上級主任研究員として現在に至る。また、東京電機大学連携大学院客員教授であり、その他、龍谷大学、山梨大学、芝浦工業大学の非常勤講師、早稲田大学客員研究員、米国シンシナティ大学訪問研究員を歴任。
航空機エンジン向けの材料は、従来よりも高強度で、軽量、熱に強いなどに優れた「全く新しい合金」の開発が必要とされており、エンジン性能向上やCO2排出量の大幅低減につなげることが期待されています。複数の金属元素を適切に組み合わせた「新しい合金」は、金属元素の組み合わせとプロセス条件で決まりますが、その組み合わせは膨大な数に上るため、従来型の実験方法では天文学的な時間が必要となります。そこで、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業において、航空機エンジン向けに新合金の探索と発見を目指し、合金探索に必要な良質のデータを大量かつ高速に収集する自動金属バルク創製・評価一体化システムの構築と、AIを組み込んだマテリアル・プロセス・インフォマティクスを開発しています。ここでは、所望の特性を有する合金の探索時間を大幅に短縮する革新的な合金探索手法を紹介します。