メインシアター (東1ホール)

2023年2月2日(木)

【nano tech 特別シンポジウム】サーキュラーエコノミーを支える技術最前線

【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】15:00-17:00 事前登録 満席

文部科学省「材料の社会実装に向けたプロセスサイエンス構築事業(Materialize)」サブプログラムディレクター 伊藤 忠 氏
※当日聴講席に空きがございましたらご案内可能です。ぜひ会場までお越しください。
 
サーキュラーエコノミー実現に向けた政策の動向
15:00-15:30 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
喜多川 和典

公益財団法人日本生産性本部

コンサルティング部

エコマネジメントセンター長

上智大学大学院

地球環境学研究科

非常勤講師

喜多川 和典

【講演者プロフィール】

長年にわたり、行政・企業の環境に関わるリサーチ及びコンサルティングにあたる。上智大非常勤講師、経済産業省循環経済ビジョン研究会委員(平成30年度~令和元年度)、NEDO技術委員、ISO TC323 Circular Economy 国内委員会委員。


【講演概要】

欧州におけるサーキュラーエコノミー(CE)、従来の3R分野の関係者だけでなく、幅広い専門家、学識者、および一般の人々の間で注目を集め、議論されるトピックとなっている。その背景には、過去数十年にわたる人類の経済成長によって引き起こされてきた地球環境問題への認識と反省があるものと思える。これまで通り、そのような物質主義的な成長を続ければ、製品消費の増加によって際限ない資源消費と温室効果ガスの増加が起こり、それに伴った生物多様性の喪失と気候変動のリスクに人類がさらされるとの危機感があるものと思える。
したがって、CEは、既存のリニアエコノミーの限界を克服する新たな経済的条件を見定め、材料のより効率的な使用とフローの最適化に焦点を当てる取り組みとして捉えることができるであろう。

プラスチック資源循環社会に向けた花王の挑戦
15:30-16:00 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
松本 州平

花王株式会社

包装技術研究所

グループリーダー

松本 州平

【講演者プロフィール】

2004年に花王株式会社に入社後、パーソナルケア品や化粧品など様々な日用品の容器設計を担当。途中、ドイツ支社にて美容室向け製品の容器開発に従事するとともに、欧米の容器包装関連技術や規制動向に関しての知見を深める。2020年より現職に就き、2021年からは日本化粧品工業連合会 サステナビリティ推進委員会 容器包装部会の委員を務める。


【講演概要】

2019年に花王が発表したESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」について触れながら、花王がこれまでに実施してきた4R(Reduce, Reuse, Recycle, Replace)活動による環境対応への取り組みを紹介すると共に、今後、プラスチック資源循環社会に向けて、プラスチック使用量の削減(Reduce Innovation)とプラスチック資源の再生利用(Recycle Innovation)を如何に推進していくかについて、花王の環境対応の中心となるフィルムタイプの容器での挑戦を中心に紹介する。

BASFが目指すサーキュラーエコノミーへの移行
16:00-16:30 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
入江 剛

BASFジャパン株式会社

経営推進本部 サステナビリティ推進部

部長

入江 剛

【講演者プロフィール】

東京理科大学工学部工業化学科卒業後、1998年にBASFジャパンに入社。中間体、高機能樹脂、建設化学品の国内での営業・マーケティング活動に加え、ドイツ本社や東アジア地域統括本部(香港)にて欧州およびアジア太平洋地域のマーケティングに従事。2020年からは、サステナビリティ推進部の責任者として、日本国内のステークホルダーとの対話に注力。


【講演概要】

欧州グリーンディールなど、化学業界はより持続可能な社会実現への貢献が期待されている。 BASFでは、2050年のCO2排出量実質ゼロ(ネットゼロ)を目指すとともに、サーキュラーエコノミーの新たな価値創造に取り組んでいる。サーキュラーエコノミーに寄与するケミカルリサイクル(BASFにおけるプロジェクト名:ChemCycling®/ケミサイクリング™)を初めとした欧州の最新のソリューションと製品事例を紹介する。

カーボンニュートラルと資源循環の同時実現に向けた有価物回収技術  ーリチウムイオン電池と太陽光パネルを例にしてー
16:30-17:00 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
所 千晴

早稲田大学

理工学術院

教授

東京大学大学院

工学系研究科

教授

所 千晴

【講演者プロフィール】

2003年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、理工学術院専任講師、准教授を経て、2015年より早稲田大学理工学術院教授(現職)。2016年より東京大学生産技術研究所特任教授(兼任・現職)。2021年よりJX金属(株)社外取締役、クロスアポイントメントにて東京大学大学院工学系研究科教授(現職)。経済産業省各種委員なども務める。専門は資源循環工学、化学工学、粉体工学。


【講演概要】

カーボンニュートラルの実現に向けて再生可能エネルギーの導入を促進し、CO2回収を進め、省エネルギー型の新技術を導入すると、GHGをはじめ様々な環境負荷が削減されることが期待される一方で、資源消費は今以上に急激に増加する可能性が懸念されている。例えば、電動化に欠かせないリチウムイオン電池の急激な需要拡大によって、リチウム、コバルト、ニッケル、銅などの鉱物資源の需給バランスの崩れが懸念されている。一方、資源循環には回収や輸送、分離に少なからずエネルギーを要するので、それらのプロセスは可能な限り省エネルギー化しなければならないのと同時に、サプライチェーンの再構築によって資源循環ループをできるだけ内側に小さくして、元素のみならず機能を循環させることが必要となる。 本発表では、カーボンニュートラル実現に深く関係するデバイスを例に、多様な資源循環ループ創成を目指した分離技術開発例を紹介する。