メインシアター (東1ホール)

2023年2月2日(木)

【nano tech 特別シンポジウム】データ駆動型ナノテクノロジー~素材からデバイス、システムへ~

【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】9:30-11:30 事前登録 満席

【重要】本シンポジウムは 9:30 開始のため東 1 ホール専用入口までお越しいただきますようお願いいたします。(展示会場は 10:00 開場) 詳細:https://www.nanotechexpo.jp/pdf/annai_symposium_gateopen.pdf

※当日聴講席に空きがございましたらご案内可能です。ぜひ会場までお越しください。
 
多結晶材料情報学を基盤とした材料開発の新展開
9:35-10:10 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
宇佐美 徳隆

名古屋大学

大学院工学研究科

教授

宇佐美 徳隆

【講演者プロフィール】

1993 東京大学大学院工学系研究科 修士課程修了
1994 東京大学先端科学技術研究センター助手
1998 東京大学 博士(工学)
2000 東北大学金属材料研究所助教授
2013 より現職
2018-2020 内閣府上席科学技術政策フェロー
2017より 名古屋大学未来材料・システム研究所 附属未来エレクトロニクス集積研究センター兼務
2022より 名古屋大学未来社会創造機構・脱炭素社会創造センター兼務
専門は結晶工学・応用物性、結晶材料情報学


【講演概要】

我々は、組織の複雑さと粒界の多様性により、普遍的な高性能化指針が不明確な多結晶材料に関し、「どのような結晶をどのように作ればよいか?」という根源的な問いに解を与える新たな材料開発手法の構築を目指して、実験科学、理論科学、計算科学、データ科学を連携させた多結晶材料情報学の開拓を進めている。本講演では、シリコンを対象として構築した研究基盤として、多結晶組織や転位クラスター分布の3次元可視化、結晶方位分布の予測、多結晶組織の発生関係を記述するネットワーク解析、転位クラスター発生点の特徴抽出、粒界におけるキャリア再結合速度の定量化などの研究基盤を紹介する。またこれらの研究基盤の統合による材料科学の深化、高性能材料製造プロセスの効率的探索、他材料の研究開発への応用事例について紹介する。

機械学習を用いたアナログ集積回路の自動設計・合成
10:10-10:45 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)
髙井 伸和

京都工芸繊維大学

教授

髙井 伸和

【講演者プロフィール】

1999年に東京工業大学で博士号を取得後、東京工芸大学、群馬大学を経て、現在の京都工芸繊維大学に教授として着任。これまでに CMOSFETのアナログ集積回路設計、DC-DC Converter の制御方式などの研究に従事してきた。現在は機械学習を用いたアナログ集積回路の自動設計・合成の研究に従事。共同研究、科研費、JST A-STEP、JST Moonshot など多くのプロジェクトのもとアナログ集積回路の自動合成・設計の研究に取り組んでいる。


【講演概要】

本発表では、アナログ集積回路設計に機械学習を適用する方法を紹介する。従来熟練の設計者が経験と知識を用いて行っていた、仕様を満たす回路構造の選択への機械学習の適用結果について報告する。また、計算機を用いた回路トポロジーの自動合成についても報告する。自動合成に深層学習を適用することで、学習データにはない新たな回路合成が可能であることを示す。

物理リザバー・コンピューティングによる省電力情報処理
10:45-11:20 事前登録
会場: メインシアター (東1ホール)

IBM東京基礎研究所

リサーチ・スタッフ・メンバー

山根 敏志

【講演者プロフィール】

平成12年東京大学工学系研究科計数工学専攻博士課程を修了。
現職は日本アイ・ピー・エム株式会社東京基礎研究所リサーチ・スタッフ・メンバー。
専門は信号処理,統計学およびそのコンピュータ・システムへの応用。
光通信向け誤り訂正符号、コンピュータ・システムのパフォーマンス・エンジニアリング、ミリ波帯高速無線通信等の研究開発を経て、現在はニューロモルフィック・コンピューティングの研究開発に従事している。


【講演概要】

リザバー・コンピューティングとは再帰的ニューラルネットワークの一種であり、入力層・リザバー層・リードアウト層の3層からなる。
最も特徴的な点はリザバー層はランダムに初期化され、学習されないという点にある。
学習は後段のリードアウト層においてのみ行われ、単純な適応信号処理が用いられる。
このような構造上の簡便性により、リザバー・コンピューティングはコストの低い機械学習として注目を集めている。
さらに、近年ではリザバー層を物理系の非線形ダイナミクスに置き換えることができることが分かってきた。
このようなアプローチは物理リザバー・コンピューティングと呼ばれ、従来のソフトウェア実装に比べ、さらなる高速性と低消費電力性が実現できる。
この講演では、特に研究が進んでいる光リザバーとスピン・リザバーを取り上げる。
さらに、エッジ・コンピューティングなどの産業応用についても論じる。