マテリアルステージ(東2ホール)

2023年2月2日(木)

プロセス・インフォマティクス

【開催時間】14:25-15:50

 
【基調講演】プロセスインフォマティクスで成果をあげるために失敗から学ぶ
14:25-15:05 事前登録
会場: マテリアルステージ(東2ホール)
加納 学

京都大学

情報学研究科システム科学専攻

教授

加納 学

【講演者プロフィール】

1994年に京都大学大学院工学研究科化学工学専攻修士課程を修了し,助手に着任.2004年に助教授となり,2021年から京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻・教授.2018年に大学発ベンチャーであるクアドリティクス株式会社を共同創業.在学中からプロセスデータ解析とその周辺に関する研究に取り組み,企業との共同研究を多数実施.現在は医療・ヘルスケアサービス創出に向けたデータ解析も実施.


【講演概要】

データ活用に取り組む企業が増えている.多変量解析や機械学習には数多くの手法があり,それらを手軽に使えるツールも提供されている.さらに,論文や解説記事を読めば多くの成功事例を知ることもできるが,そこには成功した事例しか書かれていない.製造データ活用で成功確率を上げるためには,過去の失敗から学ぶことも重要である.今回は講演者自身の失敗経験を踏まえて,プロセスインフォマティクス,特に仮想計測や異常検出を行おうとするときに失敗する例を交えながら,陥りやすい罠を指摘する.

プロセスインフォマティクス~機能性材料プロセス開発のハイスループット化を目指して~
15:20-15:50 事前登録
会場: マテリアルステージ(東2ホール)
長藤 圭介

東京大学大学院工学系研究科

准教授

長藤 圭介

【講演者プロフィール】

2009年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了,同年機械工学専攻助教,2012年講師,2016年~現職.2012, 2019年カールスルーエ工科大学客員研究員,2013~2016年科学技術振興機構さきがけ研究者.専門はマイクロ・ナノ表面加工,レーザ加工,粉体プロセス,3Dプリンタ,プロセスインフォマティクスなどの生産技術,および燃料電池,光学素子などの応用技術.


【講演概要】

日本のものづくりをけん引する機能性材料は,材料そのものの開発だけでなくそれを素材に加工したり,要素に作りこんだりするためのプロセスの開発も重要です.たとえば,マテリアルズインフォマティクスで開発された新材料も,それを実用化するためにはプロセスの最適化を避けられません.逆に,既存の材料でもプロセスでその機能を飛躍的に伸ばすこともできます.生産プロセスは,その種類やステップだけでも様々で,パラメータの組み合わせも膨大です.世界的な研究開発のハイスループット化の波の中で,日本の強みとされてきた勘・コツ・経験を活かした仮説駆動型プロセス開発法に,データ駆動型開発法を取り入れた方法,すなわちプロセスインフォマティクスが今こそ必要です.本講演では,粉体成膜プロセスを事例に,機能性材料のプロセスインフォマティクスの可能性と展望を紹介します.