表面技術協会 部会講演(東5主催者事務室)
2023年2月2日(木)
表面技術協会 部会講演【2日目】
~ヘテロ界面制御部会 第12回研究会~
【主催】ヘテロ界面制御部会
【開催時間】13:30-16:00
登録不要
無料
DLC膜の応用と低摩擦化への取り組み
【開催時間】13:30-16:00
アモルファス炭素膜の分類と応用
13:35-14:20
東京工業大学
科学技術創成研究院
教授
大竹 尚登氏
【講演者プロフィール】
1989年東京工業大学助手,1993年同助教授,2006年名古屋大学助教授,准教授を経て,2009年東京工業大学准教授,2010年同大学教授,2015~18年に同大学副学長(研究推進,研究企画担当)を兼務。2022年度から同大学科学技術創成研究院長として異分野融合・産学連携研究を推進。同大学基礎研究機構長(2022~),同大学未来社会DESIGN機構副機構長(2018~)として若手教員育成と社会との協働に取り組む。専門は機械材料・材料加工。
【講演概要】
DLC膜は高硬度,高耐摩耗性,低摩擦係数などの特徴を有し,表面が平坦で200℃程度の低温で合成できることから,電気・電子機器(ハードディスク,ビデオテープ,集積回路など)や切削工具(ドリル,エンドミル,カミソリなど),金型(光学部品,射出成形など),自動車部品(ピストンリング,カム関連部品,クラッチ板,インジェクタなど),光学部品(レンズなど), PETボトルの酸素バリア膜,衛生機器(水栓),レンズ・窓,装飾品など幅広く応用され始めている。とりわけ,各種硬質膜の中でも10GPa(9GPaとする場合もある)以上の高い硬度による,優れた耐摩耗性と低い摩擦係数を有することから,自動車部品,機械部品の保護膜として需要が加速度的に増大している。本講演では,このように構造の明確化に先んじて応用展開が進んでいるDLCを対象として,どのDLCをどのような応用に適用したら良いのかを示す羅針盤としての分類と規格化について述べる。
オイルレス環境におけるDLC膜の低摩擦化技術に関する研究
14:20-15:05
東京都立産業技術研究センター
開発本部 機能化学材料技術部 プロセス技術グループ
主任研究員
徳田 祐樹氏
【講演者プロフィール】
1987年生まれ.東京理科大学工学部機械工学科卒業.現在は,(地独)東京都立産業技術研究センターに在籍し,形状測定や表面分析の業務に従事.2015年より東京理科大学佐々木研究室にて社会人博士課程に進学し,博士号(工学)を取得.主としてDLC膜の低摩擦化技術の開発や成膜プロセスの最適化について研究を推進している.
【講演概要】
近年、潤滑油の廃液等による環境負荷の観点から、各種摺動部品のオイルレス化が求められている。中でも、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜はオイルレス環境において優れた摩擦特性を示すため、実製品への採用に向けた研究が進められている。DLC膜は炭素(および水素)を主成分としており、sp2結合とsp3結合の炭素が混在した非晶質構造の硬質炭素薄膜である。DLC膜は膜中に水素を含むか否かによって膜特性が大きく異なり、オイルレス環境では水素を含む「水素含有DLC膜」が活発に適用されている。本講演では、水素含有DLC膜の更なる低摩擦化を実現する方法として、DLC膜に対する事前加熱処理の実施、表面テクスチャの付与、および膜中への塩素添加による影響を調査した内容について報告する。
潤滑状態や潤滑剤の化学構造によって異なるDLCコーティング膜の摩擦特性
15:15-16:00
(地独)神奈川県立産業技術総合研究所
機械・材料技術部
主任研究員
吉田 健太郎氏