シーズ&ニーズセミナーA(東1ホール)
2023年2月2日(木)
ASTEC 第18回表面技術会議:1日目
【開催時間】9:30-11:30 事前登録 無料
参加費:無料(希望者は予稿集3,000円)【重要】本セミナーは 9:30 開始のため 東 1 ホール専用入口までお越しいただきますようお願いいたします。(展示会場は 10:00 開場)
詳細:https://www.astecexpo.jp/pdf/PressRelease_2023013001.pdf
テーマ①:次世代エネルギー・プロセスの実現を目指す先端界面技術
オペランド電子顕微鏡技術による全固体電池反応の可視化
9:30-10:00 事前登録 無料
ファインセラミックスセンター
ナノ構造研究所
主席研究員
山本 和生氏
【講演概要】
全固体電池は、不燃性の固体電解質(特に、セラミックス)を用いた電池であり、高い安全性と高いエネルギー密度を両立できる次世代二次電池として世界各地で研究開発が進められている。高性能な電池を開発するためには、電池内部のイオンをスムーズかつ高速に移動させる必要があるが、電極、固体電解質内部やその界面においてイオンの移動抵抗が高く、克服しなければならない課題が多くあるのが現状である。それを解決するためには、充放電のメカニズムや特性劣化要因を明確化し、材料設計やプロセスにフィードバックさせる必要がある。
我々は、これまで、透過型電子顕微鏡(TEM)内で全固体型Liイオン電池を動作させ、Liイオンの動きを直接的に観察する技術(オペランド観察技術)を開発してきた。本講演では、その観察技術と、薄膜型電池やバルク型電池内部の観察に応用した結果を紹介する。
種々の分析手法を用いた全固体電池の評価
10:15-10:45 事前登録 無料
株式会社日産アーク
現象解析部現象解析室TEM解析チーム/技術コーディネーション部技術コーディネーション室電池コーディネーションチーム
平鹿 慧太氏
【講演者プロフィール】
2018年東北大学大学院工学研究科材料システム工学専攻博士前期課程修了。
2018年株式会社日産アークへ入社。TEM解析チームにてFIB、UMT、TEMを用いて分析業務に従事。
2022年現在、TEM解析チームおよび電池コーディネーションチームにて分析・解析業務に従事。
【講演概要】
近年、高容量・高出力化や安全性などの面から全固体電池が注目を集めており、盛んに研究・開発が為されている。しかし全固体電池の開発における課題の一つに、耐久試験後の内部抵抗の増大が挙げられる。この内部抵抗の増大には固体電解質/正極活物質界面近傍での副反応による劣化が寄与していることが指摘されており、全固体電池の性能向上のためにその発生のメカニズムや抑制のための解析技術が肝要となる。本講演では、集束イオンビーム加工装置(FIB)、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)、X線光電子分光法(XPS)、画像解析、第一原理計算等種々の手法を用いて全固体電池の評価を行った事例について紹介する。
導電性ダイヤモンドパウダーの電気化学エネルギーデバイスへの応用
11:00-11:30 事前登録 無料
東京理科大学
理工学部先端化学科
准教授
近藤 剛史氏
【講演者プロフィール】
2004年東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程修了・学位取得(博士(工学))。2004年東京理科大学工学部工業化学科助手(助教)、2009年同理工学部工業化学科(現・先端化学科)助教に着任。同学科講師を経て、2019年より現職。専門は物理化学、電気化学。現在は、ダイヤモンドの機能性材料応用に関する研究に取り組んでいる。
【講演概要】
導電性ダイヤモンド粉末材料であるホウ素ドープダイヤモンドパウダー(BDDP)およびホウ素ドープナノダイヤモンド(BDND)の作製とその電気化学応用について紹介する。BDDP/BDNDは電位窓が広く、耐腐食性に優れ、比表面積が比較的大きい機能性電極材料として幅広く応用が期待される。市販のダイヤモンド粉末表面に、化学気相成長(CVD)法により導電性BDD層を成長させることで、BDDP/BDNDを得ることができる。BDDP/BDNDは比表面積が大きく、水系電解液に対する電位窓が広いため、セル電圧の大きな水系電気二重層キャパシタ(EDLC)用電極材料として有用である。また、BDDP/BDNDは耐腐食性に優れるため、高電位耐性に優れた燃料電池カソード触媒担体への応用が期待される。