基礎研究~実用化。KISTECへご相談を!
①光技術を用いた超広帯域テラヘルツオシロスコープの開発、②非破壊画像検査用スマートシートの創出、③温めると縮む材料(負熱膨張材料BNFO)、④シート状酸化ボロフェン化合物、⑤「わからない」を判断できるAI技術、⑥高重力場を用いた3Dプリンタの超高機能化、⑦塗って使う人工オパール構造色、⑧電子顕微鏡で軽元素を観察できる包理剤 などの研究成果をご紹介します。
【シーズ&ニーズセミナーB会場1日10:30~】光技術を用いた超広帯域テラヘルツオシロスコープの開発
本研究では、超短パルスレーザーやファイバーなどの光技術を活用することによって、テラヘルツ(THz)領域(1秒間に1兆回振動する電磁波)の電場波形を簡便、かつ高速に検出する技術を開発し、従来技術では到達できない広帯域のテラヘルツオシロスコープの開発を目指します。本技術によって、テラヘルツデバイスの応用範囲を拡大し、産業の振興に貢献することを目指します。
【シーズ&ニーズセミナーB会場1日11:00~】非破壊画像検査用スマートシートの創出
本研究は、代表者らが近年独自に開発したブロードバンド(ミリ波・テラヘルツ帯~可視光域)フレキシブルカメラを基に、対象の形状や測定環境に制限されにくい自由度の高い非破壊画像検査シートを創出します。これにより、ユーザーから独立したリモート撮像モジュールを構築することで、従来の有人作業に代わる利便性の高い自立型検査システムを開発し、社会の安心・安全確保に貢献します。
【シーズ&ニーズセミナーB会場3日10:30~】温めると縮む材料(負熱膨張材料BNFO)
ナノテクノロジーの進展に伴って熱膨張による位置決めのずれや異種材料接合界面の剥離などの問題が顕在化しており、負熱膨張材料を用いた熱膨張制御に注目が集まっています。金属間電子移動メカニズムにより、巨大な負熱膨張を示す材料BNFO(BiNi1-xFexO3)を紹介します。なお、本材料は試験販売も行っており、今後量産化による価格低減を予定しています。
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【研究紹介】化学ボロフェンによるフレキシブル素子の開発
本研究ではボロフェン骨格を持つ安定なホウ素原子層シートを化学原料から液相で合成できる「化学ボロフェン」を開拓します。この化学ボロフェンの安価で簡便な合成手法を確立し、化学修飾や元素置換により機能化を推し進めることで、既存材料では発現できない新しい二次元素子材料の開拓を目指します。
【研究紹介】未知を知る確率的AIチップの開発
本研究では新しい概念:“未知を知る”確率的AIを提案し、組み込みシステムや医療・産業などに広く応用可能なAIチップの開発を進めます。クラウド化や高機能PCの利用が困難な医療福祉・産業現場におけるAI技術の利活用によって高効率化・高性能化を図るとともに、神奈川県発の独自の概念:“未知を知る”確率的AIにより、AI産業と住民の生活を支える基盤技術の創出を目指します。
【研究紹介】高重力場における3Dプリンタの超高機能化の研究
3Dプリンタは省資源性や省スペース性に優れていますが、材料浮遊や内部欠陥の増加等の技術課題があります。本研究はこれらの技術課題をメリットに転換する高重力場3Dプリンタの開発を目指します。材料の固定力増加、材料供給の安定化は、通常扱えない質量単位の造形プロセスをハンドリング可能とし、造形精度と造形効率を両立して高めるほか、内部欠陥を一切排した高品質造形を可能にし、次世代ものづくり産業の活性化を進めます。
【研究紹介】塗って使う人工オパール構造色
女子美術大学との“美工連携”となる共同研究の中で開発してきた人工オパール構造色顔料の技術を紹介します。資源豊富で人体や環境にやさしい“酸化ケイ素”で、通常の色素や顔料には無いユニークな色を発現することできます。人工オパール技術の高度化と普及により、安全・安心かつ豊かで質の高い社会の実現に貢献していきます。
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【研究紹介】電子顕微鏡用新規包埋組成物の開発
電子顕微鏡による固体材料の内部観察において、試料が多孔質・粉体・繊維などの強度が低く変形し易い材料の場合、樹脂包埋が行われています。ところが樹脂はC,H,Oなどの軽元素から成るため電子密度が低く、カーボン材料、高分子材料などに対しては観察に必要なコントラストが得られません。電子密度が高く、低粘性で試料含浸に適し、物理的又は科学的に固定可能な新規包埋組成物を開発しました(特許出願中)。
法人のご紹介
神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)は、神奈川県の公的試験研究機関です。県内中小企業を中心とする産業界のイノベーション創出を目指し、県内産業と科学技術の振興を図ることにより、豊かで質の高い県民生活の実現と地域経済の発展に貢献するため、日々活動を行っています。
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神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
戦略的研究シーズ育成事業「光技術を用いた超広帯域テラヘルツオシロスコープの開発」
研究代表者 兼 横浜国立大学 教授
片山 郁文氏
【講演者プロフィール】
京都大学卒、博士(理学)。光物性物理学、超高速分光、テラヘルツ分光の研究開発に従事。
【講演概要】
超短パルスレーザーを用いた超高速時間領域分光法によって、テラヘルツ電場波形を検出する新たな手法を開発した。超短パルスレーザーのスペクトルを時間軸として活用することによって、リアルタイムの波形検出が可能となり、提案した波形補正技術によって、検出窓幅によらずに歪みのない波形検出が可能であることを明らかにした。本技術はそのリアルタイム性により、高速のイメージング応用やデバイスから出力されるテラヘルツ波形、不可逆過程におけるテラヘルツ放射検出など、従来では難しかった系への応用が可能となる重要な技術である。今後、生産ラインのモニタリングやデバイス評価などへの応用が期待される。
神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
戦略的研究シーズ育成事業「非破壊画面検査用スマートシートの創出」
研究代表者 兼 中央大学 教授
河野 行雄氏
【講演者プロフィール】
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻・助手、理化学研究所・研究員(JSTさきがけ研究員兼任)、東京工業大学未来産業技術研究所・准教授を経て中央大学・教授、東京工業大学・特定教授兼任、国立情報学研究所・客員教授兼任。主な受賞は、Sir Martin Wood Prize、日本IBM科学賞、日本学術振興会賞、丸文学術賞、Gottfried Wagener Prize、ドコモ・モバイル・サイエンス賞等。
【講演概要】
製品を壊さず内部の異物や破損を検知する非破壊検査は、予期せぬ事故を防ぎ安全安心を確保するための重要な社会的ニーズとなっている。本講演では、カーボンナノチューブを用いたブロードバンド(ミリ波・テラヘルツ帯~可視光域)フレキシブル撮像センサ、並びに検査分析応用について紹介する。
神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
「次世代機能性酸化物材料」プロジェクト
リーダー 兼 東京工業大学 教授
東 正樹氏
【講演者プロフィール】
1995年京都大学博士(理学).京都大学化学研究所助手,助教授,准教授を経て、2010年より東京工業大学応用セラミックス研究所教授,2016年より改組により科学技術創成研究院フロンティア材料研究所教授.現在の研究対象は磁性体,強誘電体、負熱膨張材料、固体電解質などの新規遷移金属酸化物の探索および構造と物性の相関解明.
【講演概要】
ナノテクノロジーの進展に伴って熱膨張による位置決めのずれや異種材料接合界面の剥離などの問題が顕在化しており、負熱膨張材料を用いた熱膨張制御に注目が集まっている。金属間電子移動メカニズムにより-187×10-6/Kもの巨大な負の線熱膨張係数を示すBiNi1-xFexO3を始めとする巨大負熱膨張物質と、これらとエポキシ樹脂とのゼロ熱膨張複合体を紹介する。
下記情報は来場者から出展者への事前アポイント・問合せを目的に公開しています。
それ以外の目的(セールス等)で無断に使用・転載する事を固く禁じます。
神奈川県立産業技術総合研究所
研究開発部 研究支援課