メインシアター (東2ホール)

2022年01月28日(金)

【特別シンポジウム】
ナノテクで加速する量子技術イノベーション

【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】10:30-12:30 事前登録

 
量子の社会実装を目指す量子技術イノベーション戦略
10:30-11:00 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

萬 伸一

理化学研究所

量子コンピュータ研究センター

副センター長

萬 伸一

【講演者プロフィール】

1993年3月東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。同年4月日本電気株式会社に入社。基礎研究所にて、量子デバイス、量子情報、ナノテクノロジーに関する研究開発および研究マネジメントに従事。2015年スマートエネルギー研究所所長代理、2018年システムプラットフォーム研究所主席技術主幹。2019年4月国立研究開発法人理化学研究所創発物性科学研究センター。2021年4月量子コンピュータ研究センター・副センター長。


【講演概要】

世界各国で量子技術への戦略的な投資がなされ、競争力強化が進められている。日本では量子技術イノベーション戦略が発表された。社会実装を目指した技術ロードマップが制定され、連携のコアとなる量子技術イノベーション拠点が設置された。量子技術の進化にはナノテクのような先端技術との幅広い連携が今後重要になる。本講演では、量子技術の情勢を踏まえつつ、量子技術イノベーション戦略と量子技術イノベーション拠点の狙いと活動を紹介し、イノベーション創出に向けた今後を展望する。

富士通における量子コンピューティングへの取り組み
11:00-11:30 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

佐藤 信太郎

富士通株式会社

富士通研究所 量子コンピューティング研究センター

センター長

佐藤 信太郎

【講演者プロフィール】

1990年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了.ウシオ電機㈱を経て,2001年米国ミネソタ大学大学院博士課程機械工学研究科修了,Ph.D. 同年富士通㈱入社,現在に至る.2006-2010年㈱半導体先端テクノロジーズ兼務.2010-2014年産業技術総合研究所出向.2018年応用物理学会フェロー.2021年より理研RQC-富士通連携センター・副連携センター長(兼務).


【講演概要】

半導体の微細化の限界が近づき,コンピューティングの性能向上は徐々に減速してきている.そのため,従来のシリコンテクノロジーに基づきながらも,それぞれのアプリケーションに特化したアーキテクチャを採用した,いわゆる特化型コンピューティングが近年実用化されている.組合せ最適化問題の求解に特化したアーキテクチャを持つ,富士通のデジタルアニーラがその一例である.その一方,これまでと異なる新しい原理に基づくコンピューティンによる,ブレークスルーも期待されている.本講演では,その1つの候補である「量子コンピューティング」について,富士通における取り組みを紹介する.

ダイヤモンド量子技術
11:30-12:00 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

岩﨑 孝之

東京工業大学

准教授

岩﨑 孝之

【講演者プロフィール】

2008年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了.博士(工学).同年ドイツ・フンボルト財団研究員(マックスプランク固体物理学研究所).2010年独立行政法人日本学術振興会海外特別研究員(マックスプランク固体物理学研究所).2011年東京工業大学大学院理工学研究科助教.2018年東京工業大学工学院准教授. 2016-2020年国立研究開発法人科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任).


【講演概要】

量子材料や量子特有の現象を利用する量子技術により、新しい価値の創出が期待でき、世界中で活発に研究が推進されている。我々はワイドギャップ半導体であるダイヤモンドに注目し、その内部に形成されるスピン欠陥を利用した固体量子センサおよび固体量子光源の研究に取り組んでいる。2018年より固体量子センサのQ-LEAPプロジェクトが開始され、大学・研究機関・企業との連携により研究開発を進めている。本講演では、量子センサおよび量子ネットワーク応用に向けたダイヤモンド量子技術のこれまでの動向および今後の展望について紹介する。

量子生命科学の創成と医学・生命科学の革新
12:00-12:30 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

馬場 嘉信

量子科学技術研究開発機構 / 名古屋大学

量子生命科学研究所 所長 / 未来社会創造機構 ナノライフシステム研究所 所長

所長

馬場 嘉信

【講演者プロフィール】

‘86年九州大学理学博士、’97年徳島大学教授、’04年名古屋大学教授、’18年同ナノライフシステム研究所長、’17年CREST研究総括、’19年量子生命科学研究所長、’19年NEDO・TSCフェロー、’20年仏ONCOLille国際科学諮問委員、’20年Q-LEAP代表者、’21年量子生命科学研究拠点センター長、紫綬褒章、文部科学大臣表彰科学技術賞、日本化学会学会賞、Merck賞、日本分析化学会賞等受章・受賞


【講演概要】

2021年度に開始された第6期科学技術・イノベーション基本計画は、我が国が目指すべき社会としてSociety 5.0を実現するために、量子、AI、バイオ、マテリアル等の国家戦略を策定し、社会課題解決のための研究開発・社会実装を加速しています。我々は、Society5.0実現のために、量子戦略に基づいて、量子生命科学拠点としてQST量子生命科学研究拠点センターを設置し、国内外の大学・国研・企業との緊密な連携により文科省・光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)を進めています。本講演では、Q-LEAPで進めている生体ナノ量子センサ、量子技術を用いた超高感度MRI/NMR、量子論的生命現象の解明・模倣に関する研究開発[1]など、量子生命科学の基礎研究から未来医療・生命科学への展開に向けた最新の研究動向について分かりやすく解説します。
[1] AI・ナノ・量子による超高感度・迅速バイオセンシング, 監修馬場嘉信, 柳田剛, 加地範匡, シーエムシー(2021).