メインシアター (東2ホール)
2022年01月26日(水)
【特別シンポジウム】
ナノテクノロジーが導く次世代半導体
【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】11:40-12:40
事前登録
スピントロニクスが切り拓く低炭素情報処理通信社会
超低消費電力集積回路から疑似量子コンピュータまで
11:40-12:10 事前登録
東北大学
電気通信研究所
教授
深見 俊輔氏
【講演者プロフィール】
2005年に名古屋大学大学院工学研究科修士課程を修了し、日本電気株式会社入社。2011年東北大学助教に着任。2014年に准教授、2020年に教授に昇任。2016年に日本電気株式会社退社。2012年名古屋大学にて博士(工学)の学位取得。専門はスピントロニクス物理・材料・デバイスとその集積回路応用など。文部科学大臣表彰若手科学者賞、応用物理学会講演奨励賞、日本磁気学会優秀研究賞など受賞多数。
【講演概要】
電子の持つ電気的性質(電荷)と磁気的性質(スピン)を同時に利用するスピントロニクスにより、低炭素社会に資する様々な情報処理通信技術が実現される。本講演では講演者らが進めているスピントロニクスの原理を活用したナノデバイスに関する研究例を示し、カーボンニュートラル実現に向けた展望を述べる。エッジやクラウドでの情報処理を超低消費電力化する不揮発性スピントロニクスデバイスや、計算論的複雑性の高い問題を室温で処理する疑似量子コンピューター向け確率動作スピントロニクスデバイスに関する最近の研究成果を紹介する。
集積ナノフォトニクスによる光電融合コンピューティングへの挑戦
12:10-12:40 事前登録
NTT物性科学基礎研究所 ナノフォトニクスセンタ / 東京工業大学 理学院
Nanophotonics Center / Department of Physics
センタ長 / 教授
納富 雅也氏
【講演者プロフィール】
1988年に東京大学工学系大学院物理工学専攻修了、以来NTT研究所に勤務。特別研究員(2001-)、上席特別研究員(2010-)、ナノフォトニクスセンタ長(2012-)。東京工業大学理学院物理学系教授を兼任(2017-)。ナノ構造による光学物性及びデバイス回路応用の研究に従事。学術振興会賞、日本学士院学術奨励賞、文部科学大臣表彰科学技術賞、電子情報通信学会功績賞など受賞。IEEE Fellow。
【講演概要】
近年、コンピューティング方式の抜本的な革新を目指した技術への期待が高まっており、光コンピューティングも一つの候補とされている。光コンピューティングは1980-90年代に活発に研究されたが、CMOSとの競争に勝てず収束した経緯があるが、それがなぜまた再登場を期待されているのだろうか。本講演では、近年のナノフォトニクス技術の進歩により、チップの中に光を導入する技術が急速に進展している研究状況について述べ、その技術が光計算にどのようなインパクトを持ちうるかを示す。かつての全光コンピュータではなく、光と電気の特長を生かし、CMOSプロセッサと協調動作できる光電融合の演算アクセラレータに向けた我々の研究展開を紹介する。