メインシアター (東2ホール)
2022年01月27日(木)
【特別シンポジウム】
研究DX時代のマテリアルズ・インフォマティクス
【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】14:55-17:00
事前登録
機械学習とロボットが「自律的」に研究を進める時代に、人間の研究者は何に注力すべきか?
15:00-15:30 事前登録
東京工業大学
物質理工学院 応用化学系
教授 / 学長特別補佐 / 物質・情報卓越教育院 副教育院長
一杉 太郎氏
【講演者プロフィール】
1999 東京大学大学院工学系研究科 博士課程修了
1999 ソニー株式会社
2003 東京大学大学院理学系研究科 助教
2007 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 准教授
2015 より現職
2020 より内閣府「マテリアル戦略」有識者
専門は、固体化学、固体電気化学、薄膜・表面・界面科学。
【講演概要】
「研究の進め方」に大きな変革が起きている。
機械学習とロボットが「自動的・自律的」に実験的研究を進める時代がやってきた。今、そのような時代において我々研究者は「何に注力すべきか」が問われている。
研究者は「知的好奇心を駆動力として、ワクワクしながら創造的な研究に取り組む」。これはいつの時代にも不変である。創造的な研究に注力しつつ、かつ、社会と科学への貢献も果たしたい。そして、「研究者は輝いている」と社会から認知され、若者が研究者を志す社会となって欲しい。
そのために、機械学習とロボットをいかに活用するのか。これら技術が、「単に時間短縮や効率化に貢献する」と捉えていたら、認識を変えなければならない。本質は、「研究者が新しい発想・考え方を得る」という点にある。これら技術をそのように使いこなせる人材や組織が、研究界で今後伸びていくだろう。
日立が考える研究DX
15:30-16:00 事前登録
株式会社日立製作所
公共システム事業部 デジタルソリューション推進部
担当部長
森田 秀和氏
【講演者プロフィール】
2002 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 修士課程修了
2002 株式会社 日立製作所入社
2002 高エネルギー分野のHPC(High Performance Computer)システムの開発に従事
2008 防災分野のHPC及びデータ処理システムの開発に従事
2015 素材分野のMIを用いた新規サービス事業開発に従事
2017 材料開発ソリューションのソリューション開発・デリバリー責任者
2020 デジタルソリューション推進部担当のソリューション開発・デリバリー責任者
【講演概要】
昨今のCOVID-19を前提とした「ニューノーマル」な時代において、民間企業の研究開発部門では社会のデジタル化に対応可能なデータ駆動型の研究開発が求められています。本講演では、研究開発におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けた、社内外のデータ利活用の加速を支援する日立の取組みについてご紹介します。
MIとDX
16:00-16:30 事前登録
トヨタ自動車株式会社
先端材料技術部
チーフプロフェッショナルエンジニア
庄司 哲也氏
【講演者プロフィール】
2003年 北海道大学大学院工学研究科物質工学専攻博士後期課程修了
2003年 トヨタ自動車株式会社入社
2003年9月 第3材料技術部(現先端材料技術部)配属
2014~2016年 文部科学省研究振興局参事官(ナノテク・物質・材料担当)付
2016年4月 先端材料技術部 帰任
2018年2月 省Nd耐熱磁石の開発成果をプレスリリース
2019年1月 チーフプロフェッショナルエンジニア就任
【講演概要】
マテリアルインフォマティクス(MI)にかかわる研究開発が科学技術イノベーション総合戦略に掲げられてから6年が経ち、AI技術の活用は製造現場や開発の中でも量産に近いレベルでは応用事例が増えてきております。しかしながらR&Dのフェーズにおいては、その取り組みは限定的で、一部の研究者が活用するにとどまっているように感じております。MIが一般的にならない背景には「これまで研究者や技術者が培ってきたノウハウや属人的な解釈から離れられない」、「データの活用に関する理解が深まらない」ことや、「活用するデータがない、もしくは少ない」等の課題があると思います。特に材料の研究開発では計測したデータの活用は定性的な活用に留まってしまいがちです。本講演ではデジタルデータを「貯め」「活用」し「新たなR&Dの進め方を創造する」ことを弊社内の取組とMI支援の新事業開発の両側面で進めてきた中で得られたことについて紹介させて頂きます。
マイクロフロー研究DXが導く合成化学
16:30-17:00 事前登録
京都大学
大学院工学研究科合成・生物化学専攻
准教授
永木 愛一郎氏
【講演者プロフィール】
2005年、東京大学 博士研究員、京都大学大学院工学研究科 特任助教、助教、講師を経て、2019年より現職。2012年、有機合成化学協会 有機合成化学奨励賞。2013年、化学とマイクロ・ナノシステム研究会 若手優秀賞。2013年、エスペック環境研究奨励賞。2019 年、有機合成化学協会・企業冠賞(東ソー・環境エネルギー賞)。
【講演概要】
マイクロフロー合成は従来のフラスコ合成化学にはない魅力を備えている。それは微少な反応空間の利用によるフラスコ化学では不可能な物質が合成できる点である。さらに、マイクロフロー合成は試薬溶液の送液速度やシステムの温度など、プロセスのパラメータをそのままデジタルな変数として用いることができるため、デジタルトランスフォーメーション(DX)との相性が極めて良い点である。したがってマイクロフロー合成は、信頼性の高いプロセスインフォマティクスへと展開できる。本講演では合成研究DXの今後の常識を変革し得るマイクロフロー合成においてその考え方および我々の取り組みを紹介したい。