メインシアター (東2ホール)

2022年01月28日(金)

【特別シンポジウム】
薄層大容量化・高信頼化が進む積層セラミックコンデンサ

【主催】nano tech実行委員会
【開催時間】15:00-17:00 事前登録

 
積層セラミックコンデンサに関わるプロセッシング技術の過去から現在と将来
15:00-15:30 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

坂本 渉

中部大学

工学部 応用化学科

教授

坂本 渉

【講演者プロフィール】

1989年名古屋大学工学部応用化学科卒業。同大学院修士課程修了後、1991年松下電器産業(株)入社。1995年名古屋大学・助手。2000年博士(工学)。2002年同大学・助教授。2006年同大学・准教授。2018年中部大学・教授。現在に至る。研究分野は無機材料化学、機能性セラミックス材料、材料プロセッシング。


【講演概要】

 積層セラミックコンデンサ(Multilayer Ceramic Capacitor, MLCC)は、電子回路中の受動部品として欠かせない存在であり、携帯電話などの機器に多く搭載されている主要な電子部品である。近年、このMLCCの小型化・大容量化が著しく、大容量かつ小さいものでは"01005タイプ"の素子のように0.05ミリ~0.1ミリというサイズになっている。このようなコンデンサ素子では、性能はもちろんのこと、製造コストや信頼性もクリアしながら量産するプロセッシングに関する技術は既に芸術品の制作、さらには匠の領域といえる。
 本講演では、積層セラミックコンデンサに関わるプロセッシング技術の過去から現在を考え、将来についても議論したい。

界面およびナノ構造制御による高性能誘電材料の開発への挑戦
15:30-16:00 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

和田 智志

山梨大学

大学院総合研究部

教授

和田 智志

【講演者プロフィール】

1991年東京工業大学大学院総合理工研究科博士後期課程修了。東京農工大学、東京工業大学助手を経て、2000年東京工業大学助教授、2007年山梨大学准教授、2009年山梨大学教授、現在に至る。工学博士。専門: 無機化学、無機材料工学、固体物理学。研究テーマ: 強誘電体材料(ナノ粒子、セラミックス、単結晶)の合成と各種物性評価など。


【講演概要】

電子デバイスに用いられるセラミックスの微構造は既に数100ナノオーダーに至り、その微細化は留まるところを知らない。代表的な誘電体材料であるチタン酸バリウムはその優れた誘電特性故積層セラミックスコンデンサの主力材料として半世紀を超え用いられてきたが、低いキュリー温度による高温対応の困難さ、高DCバイアス下での誘電特性の大幅低下、強誘電ドメインサイズ効果による微細構造における誘電特性の大幅低下等、すでに限界に近づいている。強誘電体に特異な物性(強誘電性)はすべてドメイン構造に基づいており、上記問題点はすべて強誘電性故の問題である。一方常誘電体は上記問題点フリーである一方、低い比誘電率という問題を本質的に持つ。理想的には強誘電体でも常誘電体でもなく、温度、DCバイアス、サイズ効果フリーで高い誘電特性を持つ”理想の新誘電体材料”の開発が必要不可欠であり、その実現方法を提案する。

積層セラミックコンデンサの小型大容量化の技術動向
16:00-16:30 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

松田 真

株式会社福井村田製作所

コンデンサ事業部 開発1部

部長

松田 真

【講演者プロフィール】

大阪大学工学部材料開発工学科卒。1998年に(株)福井村田製作所へ入社。入社以来、積層セラミックコンデンサの新商品開発、それに伴う材料開発や技術開発に従事。


【講演概要】

昨今、電子機器には数多くの積層セラミックコンデンサが搭載されており、それに伴い多くの企業がその新商品開発にチャレンジしている。積層セラミックコンデンサの小型、大容量化のためには、セラミック材料技術や加工技術の高度化、特に薄層化のための技術開発が必要である。本講演では積層セラミックコンデンサの技術動向に関して、現状と今後の展望について述べる。

高信頼化のための積層セラミックコンデンサ設計
16:30-17:00 事前登録
会場: メインシアター (東2ホール)

森田 浩一郎

太陽誘電株式会社

R&Dセンター 材料開発部

主任研究員

森田 浩一郎

【講演者プロフィール】

東北大学工学研究科卒。1998年太陽誘電(株)へ入社以来,MLCCの材料開発および評価解析に従事。特にMLCCの信頼性改善と劣化機構の調査を専門とする。2021年より主任研究員として新材料の研究開発をマネージメントしている。


【講演概要】

現在では,あらゆる電子回路に積層セラミックコンデンサ(MLCC)が使用されており,自動運転や通信インフラなど非常に高い信頼性が求められる用途への適用も増えている。自動化によって機器の連続稼働時間が延びることで,電子部品への負荷印加時間も増加することになるため,将来的にはこれまで以上に高い信頼性をもつMLCCに求められるようになる。そのために必要な,材料・製品・製造プロセスの設計,さらに実使用環境の寿命を予測する方法について紹介する。