マテリアルステージ(東5ホール)

2022年01月26日(水)

サーキュラーエコノミーとサステナブル材料

【開催時間】10:10-14:10

 
【特別講演】 バイオプラスチックのISO国際標準化動向
10:10-10:40 事前登録
会場: マテリアルステージ(東5ホール)

国岡 正雄

産業技術総合研究所

標準化推進センター

標準化オフィサー

国岡 正雄

【講演者プロフィール】

1990年3月 東京工業大学 総合理工学研究科 化学環境工学専攻 博士課程 修了
1990年4月 通商産業省 工業技術院 繊維高分子材料研究所 入所
1998年1月2000年3月 米国ニューヨーク州ポリテクニーク大学 客員研究員
2005年7月 環境化学技術研究部門 循環型高分子グループ グループ長
2020年7月 イノベーション推進本部 標準化推進センター 標準化オフィサー 現在に至る


生分解性酢酸セルロースの環境マテリアルとしての取組み紹介
11:00-11:30 事前登録
会場: マテリアルステージ(東5ホール)

樋口 暁浩

ダイセル

マテリアルSBU 研究開発グループ

主席研究員

樋口 暁浩

【講演者プロフィール】

2002年、東京大学大学院で木材化学を専攻、博士課程修了。
同年、ダイセル化学工業(現ダイセル)に入社。
液晶フィルム用・プラスチック用酢酸セルロースの開発・工業化に従事。2021年10月より現職。
グループ全社での新規酢酸セルロース事業構築プロジェクトリーダーとして環境プラスチックを軸とした新規事業開発を推進、現在に至る。


【講演概要】

酢酸セルロースは生分解性を有する木材などの非可食植物由来ポリマーである。プラスチック加工には可塑剤を必要としており、樹脂処方開発を進めている。海洋プラスチックごみ問題をはじめとする非分解性プラスチックの環境汚染問題の解決策の一つとなるよう用途展開を進めている。本講演では、バイオプラスチックとして認知度が低い酢酸セルロースの特徴と用途展開について紹介する。

プラスチックフィルムメーカーが考える環境対応製品の方向性
待ったなし!この脱炭素トレンドにどう向き合えばいいのか。生分解性フィルムやマスバランス式バイオマスフィルムはカギとなるのか。
11:50-12:20 事前登録
会場: マテリアルステージ(東5ホール)

花市 岳

フタムラ化学

中部統括 開発グループ

グループリーダー

花市 岳

【講演者プロフィール】

1996年二村化学工業株式会社(現フタムラ化学)に入社後、プラスチックフィルムの開発業務に携わり、フィルム包装一筋を歩む。入社当時はダイオキシン問題が取り沙汰されていたためそれに対応したフィルムの開発や、後にフードロスに貢献する鮮度保持フィルムの開発を担当する傍ら、2016年セルロースを使った環境対応フィルムを担当したのをきっかけに、プラスチックの環境問題の実態把握・調査も行うようになる。


【講演概要】

我々プラスチックを扱う業界にとって今は激動の時代になってしまいました。2019年までは海洋プラスチック問題が盛んに言われてきましたが、2020年にコロナ禍となり使い捨てプラスチックが少し見直されてきたかと思えば、2021年には急激に脱炭素社会へと世界がシフトしていきました。それに伴い産業界は慣れないSDGsでこれらの課題をクリアしようと必死になっています。今回は、プラスチック包装に関連する環境対応製品の実例を示しながらマスバランス方式のバイオマスフィルムの導入背景や生分解性フィルムの日本における方向性などを紹介し、この混沌とした状況に対し企業として今後どう対応していけばいいのかを解説していきたいと思います。

持続可能な循環型社会の実現に貢献するバイオプラスチック
持続可能な社会の実現のため、サーキュラーエコノミーが資源と経済価値を循環
12:40-13:10 事前登録
会場: マテリアルステージ(東5ホール)

佐野 浩

三菱ケミカル

サーキュラーエコノミー推進本部 本部長付/ポリマーズ&コンパウンズ企画本部

本部長付

佐野 浩

【講演者プロフィール】

筑波大学農学研究科で博士号を取得後、農林水産省の研究機関を経て1990年三菱化成(後の三菱ケミカル)に入社、国内外で作物のバイオテクノロジーの研究開発にあたった。2002年からはアジア諸国で高等教育の高度化のための国際協力事業に従事。2007年以降はバイオ化学品、ポリマーの開発に携わり、2つのバイオプラスチックを市場に送り出す。


【講演概要】

化学工業の発展に伴ってプラスチックが我々の生活に浸透し始め四分の三世紀を経た。この間プラスチックは、さまざまな目的を達成するため種類が豊富になり成形加工方法が進化して、急成長を果たしてきた。いっぽう、持続的な社会を形成するには、これまでのリニアなバリューチェーンから、資源と経済価値を循環させるサーキューラーエコノミーへの移行をを推し進めていくことが最良の手段の一つと考えている。本セミナーでは、循環型の社会の形成の必要性を私たちに問うきっかけとなったプラスチックの問題点と、その解決を通して素材の貢献をバイオプラスチックの事例を中心に紹介する。

【基調講演】 高性能な生分解性プラスチックの創製と将来展望
13:30-14:10 事前登録
会場: マテリアルステージ(東5ホール)

岩田 忠久

東京大学

大学院農学生命科学研究科

教授

岩田 忠久

【講演者プロフィール】

1989年京都大学農学部林産工学科卒業
1992年フランス政府給費留学生として、グルノーブルのフランス国立科学センター(CNRS-CERMAV)に留学
1994年京都大学大学院農学研究科林産工学専攻、博士課程修了
1996年理化学研究所・高分子化学研究室・研究員
2012年東京大学・現所属・教授
2018年総長補佐
【受賞】2006年度繊維学会賞、2010年ドイツイノベーションアワード、
2018年度高分子学会賞、2021年度文部科学大臣表彰(研究部門)


【講演概要】

 石油資源の枯渇、プラスチック焼却に伴う地球温暖化、海洋マイクロプラスチックに代表されるプラスチックごみ問題など、プラスチックと環境および人類との共存・共栄を様々な観点から考える必要があります。
 バイオプラスチックとは、石油を原料とせず、再生産可能なバイオマスを出発原料した「バイオマスプラスチック」と環境中で二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」の総称です。
 本講では、バイオマスから生産され、環境中で分解する「生分解性バイオマスプラスチック」から当研究室で開発した高強度繊維・伸縮性繊維の物性、大型放射光を用いた構造解析、環境および酵素分解性について紹介します。さらに、最近開発に成功した生分解性開始スイッチ機能についても紹介します。