当研究部門は、印刷製法により電子デバイスを作製するプリンテッドデバイス技術の研究部門であり、有機半導体、金属インク材料、印刷製法による薄膜形成技術、センサやトランジスタのデバイス・集積回路、などの要素技術と、応用システム、サービスの研究を推進することで、IoT社会に貢献する新しいイノベーション創出を目指しています。本展示会ではこれらの研究活動の中から、当研究室の代表的な成果を紹介します。
IoT社会に向けた電子ペーパ搭載低電力FHE型センサ
デジタル機器を介さず利用の現場で様々なデータ確認を可能にする電子ペーパを搭載した、薄型の低電力FHE型センサを開発しました。薄くフレキシブルなため、あらゆるモノに貼付けられ、低電力設計により薄型電池でも持続時間が1週間以上と長いために、物流における商品の品質管理や、現場でのヘルスケアモニタリングなど、IoT社会における様々なセンシングシーンへの応用が可能になります。
ウイズコロナ社会に資するFHE型健康管理センサ
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)、PPG(光電容積脈波)、体動、体温等のマルチセンサを搭載したFHE型健康管理センサを開発しました。薄くフレキシブルなので、常時装着してヘルスケアモニタリングが可能になります。新型コロナウイルスとの共存が求められるウイズコロナ社会に貢献する、薄型のウエアラブルセンサを提供します。
高度見守りシステムに向けたシート型ベッドセンサ
強誘電性高分子を用いた高感度なシート型ベッドセンサを開発しました。ベッドのマットレス下に敷くだけで、寝ている人の心拍や呼吸などを計測することが可能です。
感情推定技術に向けたシート型チェアセンサ
強誘電性高分子を用いた高感度なシート型チェアセンサを開発しました。非拘束で座っている人の心拍や呼吸などを計測することが可能であり、心拍変動(HRV)解析などを使った感情推定技術への応用が期待できます。
フレキシブル印刷型有機センサ
機能性高分子材料やフレキシブル配線などを用いてロボットスキンに展開可能な触覚センサを開発しました。力覚制御可能なロボティック触覚制御機構や3次元(3D)デバイスへと応用します。
ロボット分野のフレキシブル有機センサ
高感度のフレキシブル有機圧力センサアレイを作製し、ロボット制御システムに応用しました。二次元の圧力情報を解析及びフィードバックすることで、柔らかい物体の把持や把持情報によるロボットアーム動作制御を行います。
超フレキシブル近接センサアレイ
食品ラップよりも薄く、柔軟性のある近接センサアレイを、有機トランジスタとデジタル印刷技術により実現しました。曲面や柔らかい材質面にも設置可能で、ヒトの近接や静電気の分布を可視化します。
非侵襲 生体内ケミカルセンシングの基盤技術
ヒトや植物を含む様々な生体内の化学情報を非侵襲でセンシングする技術の研究開発が活発化しています。本研究では、医療・ヘルスケアと農業応用を目指した非侵襲ケミカルセンシング技術を医工連携、農工連携で研究開発しています。
微細印刷を用いた高解像度パターニング
高精細なパターニングが可能な反転オフセット印刷法を用いて、線幅/線間隔が5/5 µm以下の高解像な銀のパターニングに成功し、Siウェハのエッチングで作製した印刷版を用いることにより、安価で高解像度なパターニングを実現しました。
Cuインクを用いた低コスト化技術
現在、導電性インクとしては銀(Ag)が主流に用いられているが、地金価格が高いこと(銀は銅(Cu)の約100倍)や微細配線におけるマイグレーションの懸念から、一部のデバイスへ適用されるに留まっている。そのため銀よりも安価で高信頼性を有する銅への置き換えが期待されている。
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山形大学ROEL プリンテッドデバイス技術研究部門