3D光造形法による複雑形状石英ガラス
14:10-14:55
九州大学
グローバルイノベーションセンター
教授
藤野 茂氏
【講演者プロフィール】
1997年 九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻 博士課程 修了
1997年 博士(工学)取得 九州大学
1996年~1998年 日本学術振興会特別研究員DC,PD
1998年~2006年 九州大学大学院総合理工学研究科助手
2006年 九州大学大学院工学研究院准教授
2012年 九州大学産学連携センター 教授
2016年 九州大学グローバルイノベーションセンター 教授
機能性シリカガラスの開発とその応用研究に取り組んでいる。
【講演概要】
本研究では、加工が難しく単純な形状しか作製できなかったシリカガラスを、3Ⅾプリンタにより超複雑形状で作製する技術を開発しました。シリカガラスは、石英ガラスとも呼ばれ、光学的透明性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などの物性において優れるため、光学部品・電子部材・半導体製造工程における治具などとして活用されてきました。しかし、その強度や化学的耐久性の高さは加工を困難にするため、シリカガラスの加工製品は極めて高価になり、用途が限定されていました。
これまで藤野教授の研究グループは、型を用いて、従来の加工技術では困難な形状を容易且つ安価に作製する技術を開発してまいりました。今回の応用開発により、3Ⅾプリンタならではの、超複雑形状、オンデマンドでの石英ガラス製品が作製可能となります。優れた物性を有するもののその加工が困難なため商用化できなかった用途への展開が期待されます。