メインシアター(西1ホール会場内)
2020年1月29日(水)
特別シンポジウム:超スマート社会を実現する環境回復技術
ナノマテリアルの法規制の動向
10:30-11:00
一般社団法人 東京環境経営研究所
松浦 徹也氏
【講演者プロフィール】
(一社)東京環境経営研究所 理事長
経歴 1962年3月 東京電機大学工学部卒
1962年4月 日本電子㈱入社
2005年3月 日本電子㈱退職・松浦技術事務所開業
中小企業診断士・技術士(経営工学)・環境計量士
https://www.tkk-lab.jp/
【講演概要】
同じ物質でも粒径が小さくなることでバルク状の場合とは異なる機能が生じる事が知られるが、安全性において未確認の点が多々ある。一方で、ナノマテリアルは利便性が高く使用広がり、大量に生産されるようになってきている。法規制は、ナノマテリアルの定義も統一されない状況で、使用の拡大に追いついていない状況である。しかし、TSCAのPMN(製造届)も開始されていおり、日本では労安法で労働者保護規定も示され、さらに、EU REACH規則も2020年から規制を具体化する動きがあります。ナノマテリアルをめぐる法規制を紹介します。
「半導体の熱活性」(TASC)技術とポリマー複合化合物のリサイクル
ポリマーを走破するラジカルが演じる新規技術
11:00-11:30
信州大学
繊維学部
特任教授
水口 仁氏
【講演者プロフィール】
1970年上智大学理工学部卒業。1982年理学博士(東京大学)。1994年Venia Docendi(スイス国ベルン大学)。2011年横浜国立大学名誉教授。1970-1985年(株)ソニー中央研究所研究員。1985-1995年スイス国(株)Ciba-Geigy主幹研究員。1994-1995年ベルン大学教授(兼任)。1995-2011年横浜国立大学教授。2011年から信州大学特任教授。研究分野:有機顔料の光物性と電子材料への応用、ならびに酸化物半導体の物性と環境分野への応用。
【講演概要】
「半導体の熱活性」技術は講演者が見出した新規技術であり、半導体を350-500℃に加熱すると発現する強力な酸化力(i.e.電子の引き抜き)を利用するものである。本技術は、ポリマーから結合電子を引き抜き、ポリマー内に不安定なラジカルを発生させ、これがポリマー中を伝播してポリマーを不安定化する。この結果、ポリマーは自滅するような形で瞬時に小分子に分解され、空気中の酸素と反応して炭酸ガスと水に完全分解される。本技術を使うと、太陽電池パネルやFRP等の複合化合物からポリマー母体のみを分解し、有価物をクリーンな形で回収することができる。さらに、複合化合物のような固体ばかりでなく、VOC(揮発性有機化合物)や悪臭等の気体、あるいはタール気流やPMを含む排ガスの完全浄化も可能である。本講演では、我々の最もホットな話題であるNOxのTASC分解、ならびに“廃プラと廃金属”の混合ゴミのTASC処理技術にも言及する。