アクアステージ(南2ホール会場内)

2020年1月29日(水)

水処理膜の新しい展開

【主催】株式会社JTBコミュニケーションデザイン
【開催時間】13:00-14:00 事前登録 無料 満席

 
水処理膜の新しい展開 ~高速透水・耐ファウリング性RO膜~
13:00-14:00

遠藤 守信

信州大学

アクア・イノベーション拠点

研究リーダー/信州大学特別特任教授

遠藤 守信

【講演者プロフィール】

新炭素体やリチウムイオン電池など先端新炭素体の電子物性とその応用が主な研究対象。1990年より信州大学工学部教授、2012年より信州大学特別特任教授、2013年よりアクア・イノベーション拠点研究リーダー。フランス国立科学院客員研究員、マサチューセッツ工科大学招聘研究員等を歴任。2004年のAmerican Carbon Society Medal、2012年の国際セラミックス賞、2017年のカナダ・ケベック州立大学名誉博士号など国内外で受賞歴多数。


【講演概要】

水処理膜にナノ材料を応用して新機能の発現を目指す研究は、半世紀に及ぶポリアミド(PA)RO膜の実績を背景に、その更なる性能向上を目的に活発に展開されている。nm sizeで炭素の構造を精緻に制御して得られるナノカーボン(NC)を用い、多孔透水性基材上にPAとの複合化等でNC-RO膜が調製できる。NCとしてカーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン(GR)、フラーレン等を用い、さらにセルロースナノファイバー(CNF)等を用いて、各RO膜の機能を比較検討した。またダイヤモンド状カーボン(DLC)で全炭素製の無機膜も生成、透水機能を評価した。殊に新規RO膜は、透水性、耐塩素性、耐ファウリング性に優れた機能を有している。その他、酸化GR・GR複合によるNF膜、優れた防汚性を有するモジュール部材の原水スペーサを開発した。ここではNC-RO膜の性能と機能発現メカニズムや応用について紹介したい。