表面処理粒子は欧州規制のマイクロプラスチックに該当するのか?―科学的考察
2025年05月14日(水) 11:00-11:30
会場: F202

大東化成工業株式会社

土屋 玲一郎


【講演概要】

欧州委員会はREACH規則の一部としてマイクロプラスチックを放出する製品の域内販売を順次禁止する規制を告示しました。化粧品に使用されている表面処理粒子も対象になる可能性がありますが、最新のCOMMISSION REGULATION (EU) 2023/2055 of 25 Sep 2023においてもそれらがマイクロプラスチックに該当するかは明確ではなく、表面処理粒子の科学的特異性を十分に考慮した内容にはなっておりません。
現在、大東化成工業、三好化成の両社はフランスのリール大学化学分析研究所にて共同研究体制をしき、規制への該否を明確にする測定方法の確立を目指しています。該否判定の一つとしてポリマーの固液性が基準とされるため、表面処理粒子そのものを試料として用いた核磁気共鳴(NMR)測定により、粒子に結合した処理剤分子の挙動、流動性を直接的に評価することを試みています。
発表では当該規制の概要と解析方法の説明を最新の結果とともに報告させて頂く予定です。