機能性無機粉体の開発とその有用性
~ヒドロキシアパタイトの更なる可能性~
2021年05月21日(金) 11:45-12:15
会場: E会場(G8)

岩瀬コスファ株式会社

研究開発部

岩崎 敬子


【講演概要】

ヒドロキシアパタイト(HAP)は骨や歯の無機成分であるリン酸カルシウムの一種であり、生体親和性に優れ、さらにタンパク質やアミノ酸と化学吸着する特性を持っている。その親和性や吸着性を化粧品の原料として活かし、肌に対するファンデーションの付着性、いわゆる「ツキ」を重視し、板状結晶のヒドロキシアパタイトであるFL-HAPが開発された。FL-HAPは、肌のテカリや崩れの原因と言われている過酸化脂質や皮脂を選択的に吸着する特徴も有する。さらに、板状結晶のヒドロキシアパタイト表面に鱗片状の突起物を形成させることで、滑り性を向上させ、ソフトフォーカス効果を付与したFL-HAP-SC、油の抗酸化能を付与することで化粧品に配合した際の変臭や変色防止などの効果が期待できるAO-HAPを開発した。これら、HAP 3シリーズの化粧品への応用について紹介する。